けんけんのＯＰＬＬ(後縦靭帯骨化症)闘病日記☆

6月4日(火) 入院6日目


どこからか名前を呼ばれているような気がする。
辺り一面は白い霧に包まれている。

つい先ほど 真っ黒な闇の中へ落ちたばかりなのに。。。

・・・ということは手術は終わったのかな!?

だんだんと目に見える物の輪郭がはっきりしてくる。

そして自分がどこに居るのか、
徐々に状況が理解出来てくる。



その部屋の時計は9時を示していた。

担当の女医さんが語りかけてきた。

お疲れさまでした。
手術は終わってますよ。
成功してますよ。
術後丸一日以上寝ていて、
今は4日火曜日の夜9時ですよ。


意識的にはほんの一瞬だったけど、
もう一日半以上経ってるんだ。。。

首は・・・
痛い。。。というよりも苦しい。

唾が飲み込めない。
声が出ない。
咳が止まらない。
タンが上手く出せない。

脚は・・・


・・・アレ!?

右脚は何ともない。


その代わり左脚が痛い。。。
膝下から足首の外側がとにかく痛い。
そして足首から先の感覚が一切無い。


そうか・・・
アクシデントか何かがあって
急きょ左脚に替わったのか。
もしそうならホントにラッキーだ。

今回の自分の手術に当たっていただいた整形の医師は６人。
そのうちの一人、Ｋ医師から説明を受けた。

手術自体は予定通り4時間半で完了。

麻酔後に撮影したCTを観て
急きょ手術範囲を変更。
３〜7の５つの頚椎 、４椎間で行うことになった。
その家族の同意の際、腓骨採取を右から左に合わせて変更・了承されたので予定を変更し左脚から腓骨を採骨した。

頚椎の手術範囲の変更については、
これだけの手術を予定している以上、
骨化が明らかに認められる第３頚椎を放置せず
今後極力再手術をしなくて済むように
年齢が若く体力があるうちに施術した方が良いとの
執刀医の判断だったとのこと。


首自体に大きな痛みは無い。
ただ喉の周りが腫れているのと
どうやら挿管されていた管の端部が
気管と当たっていたらしく
気管の中でもゴワゴワしている。

もっとも、首を縦に切り、
筋肉・動静脈・気管・食道などを
左右にガバッと分け開いて固定したまま
頚椎の手術を行うので、
全く何の影響も受けない訳がない。


脚は膝下から足首までの外側がとにかく痛い。
足首から先は爪先が下に伸びきった状態のままピクリともしない。


やがてICUのベッド脇に
元主治医Ｈ元准教授が立っていた。
手術の様子が気になって駆けつけてくれたらしい。

すでに手術の様子を担当チームから聞いていたらしく、
顔一面 安堵の笑みだ。

ニコニコしながらＨ元主治医は帰っていった。


今晩もこのままICUらしい。
咳とタンがとにかく止まらない。
固定したプレートが吹っ飛ぶんじゃ無いかと思うくらいの大きな咳がたまに出る。
その時に出る大量のタンには血が混じっている。

前回の手術では
首を大きな大鷲にガッと捕まれ
大空へ連れていかれるそんな痛みと、
装具のせいで酸素マスクがずり上がったため
目に入り眼球を傷付けたため視力を失った。

今回は全く違うけど、地獄は地獄。
自分が経験するだあろう
最大級の試練が幕を開けた。